家族が増えたり子どもが成長するにつれて、家財道具や物はどんどん増える一方ですよね。家の中の色々な有効活用できていない空間「デッドスペース」を利用して収納を増やせたら…と思うことはありませんか?
しかし、市販の棚はピッタリのサイズがなかなかありませんし、家具屋さんにオーダー家具を頼んだり、大工さんやリフォーム工事業者に家具の造作を頼んだりすると高額の費用が掛かってしまいます。
そんなときはDIYでコストを抑えつつ、好きな位置に、思いどおりのサイズの収納を作るのがオススメです。
本記事では、DIYによる収納の作り方と実例3選をご紹介します。
いずれも持ち家でなければできない方法だと思いますが、賃貸でもオーナーさんの許可が得られるようでしたら、ぜひ参考にしてみてください。
壁面収納・本棚の作り方
壁面収納・本棚の製作費について
壁一面の収納・本棚に憧れている方は多いですよね。壁面収納は、壁面を活用することでたくさんの収納スペースを増やすことができますし、大型の壁面収納は部屋に統一感を出してお洒落に演出することができます。一方、大型の壁面収納は目的もなく置くと邪魔になることもありますし、一度設置したら動かすのは難しいです。
2400mm×2400mmの壁面収納を家具屋にオーダー家具で注文する場合、どこに制作を依頼するかや仕様によりけりですが、大体40~100万円前後の費用が掛かります。大工さんに造作家具を依頼する場合は、30~50万円が相場です。ユニット家具を注文する場合は、20~40万円が相場です。
一方、DIYで壁面収納を作る場合は、板とネジ、扉をつけるためのスライド丁番、壁を傷つけたくないならラブリコ、ディアウォール、ピラーブラケットなどの材料代が掛かる費用です。今は材料代が高騰していますが、それでも数万円の費用でできてしまいますので、コストを少なく抑えたい方にオススメです。
また、お洒落に仕上がるかどうかは、作る方のセンスによりますが、いくらでも好きなようにアレンジができますし、自分で作ることが好きな方にはオススメです。扉のデザインなど完成後でも簡単に修正・変更できる部分もありますので、使ってみて気に入らなかったらやり直せるのもDIYの良いところですし、それも楽しみの一つでもあります。
壁面収納・本棚の作り方
壁面収納・本棚を作る方法は、突っ張り棒のようなディアウォールやラブリコ、ピラーブラケットなどを使う方法もありますが、今回はそのような市販のパーツは使わずに材木とネジのみで壁の厚みを利用したニッチタイプの壁面収納を作る方法を解説します。
突っ張り棒方式ではなく、間柱(まばしら)に板材を直接ネジ留めする方式のため、倒れる心配はありません。ただし、壁を壊して取り付けますので、持ち家の方か、または賃貸でも大家さんの許可が得られる方が対象となります。
おおまかな手順は、
- 壁面収納・本棚にする位置の壁材(石こうボードのことが多い。)を間柱(まばしら)に沿って取り外す。
- 側板、棚板となる材木を設計・加工・塗装する。
- 壁材を取り外して現れた壁を1で取り外した壁材などで補強する。
- 棚を1列ずつ組み立て、壁にはめ込み、間柱(まばしら)にネジ留めする。
- お好みで扉を取り付ける。
となります。
壁面収納・本棚をDIYで作る方法と実例を紹介した記事はこちらです。ぜひ参考にしてみてください。
階段上収納の作り方
階段上のデッドスペースに収納を作ることは難しい?
「階段の吹き抜けって2階の天井まで空間が広がっているだけでもったいない。何とかこれを有効活用できないかな?」
と考えている方は多いのではないでしょうか。
階段下は新築時に収納スペースを造作する場合が多いのですが、階段上のデッドスペースはただの空間になっている場合が多いようです。この場合の「階段上」とは、階段を上がりきったところの廊下ではなく、階段を上がる途中の空間を指します。ただの空間なので活用方法が難しいのですが、twitterでも、突っ張り棒やワイヤーネット、棚を取り付けるなど色々な工夫をしている方がいらっしゃいます。
階段上収納の作り方
なかなか活用が難しい階段上のデッドスペースですが、わが家でもDIYで収納を作ってみました。
階段上にスペースがあるなら、まずは棚を取り付けることを検討しましょう。棚を取り付けることで収納力は格段にアップします。
階段上の空間に棚を取り付けるときは、
- 地震があっても落ちないようにしっかりと固定する
- 階段を通るのにジャマにならない位置に取り付ける
- 階段からでも出し入れがしやすいような工夫をする
このような点に気を付ける必要があります。
階段上収納を作るときのおおまかな手順は、
- 棚板を取り付けられる場所を見つける。(ない場合は作る。)
- 材木を加工し、棚板、側板、扉板を用意する。
- 1の場所に、一番下の段になる棚板を設置する。
- 3で設置した棚板の両端(階段の左右の壁)に側板を木ネジで固定する。
- 3で設置した棚板に、階段の幅に合ったカラーボックスを置き、棚板・側板に木ネジで固定する。(または、カラーボックスを使わず、全て自作する。)
- 棚板と扉板を丁番などでつなぎ、扉を開けたときに人が乗れるようにする。
- 扉のロック機構を作り、扉を完成させる。
となります。
階段上のデッドスペースに収納を設置する方法と実例を紹介した記事はこちらです。ぜひ参考にしてみてください。
屋根裏収納の作り方
屋根裏収納のメリット・デメリット
屋根裏収納のデメリットは、
- 収納式、または可動式のはしごを使って昇り降りするタイプが多く、使うたびにはしごを出し入れするのが面倒。
- 荷物を持ってはしごを昇り降りしたり、低い天井で荷物を出し入れするのが大変。
- 屋根に近いため、夏は暑く、冬は寒い。
といった意見がtwitterでも見られます。
一方、屋根裏収納のメリットとしては、
- 生活スペースを減らすことなく、大容量の収納スペースを増やせる。
- 建築基準法の基準(天井高が140cm以下、床面積が直下階の2分の1未満)を守れば、住宅の床面積に算入されず、固定資産税の計算にも入らない。
- しっかり断熱すれば、子どもの遊びや趣味部屋としても使える。
- 天井が低く、秘密基地のようなワクワク感がある。
などがあります。
屋根裏収納の作り方
屋根裏はどの家にもあり、基本的にはデッドスペースになっています。
この屋根裏を収納にリフォームすることによって、劇的に収納スペースを増やすことができるため、実際に多くの家で屋根裏リフォームが行われています。
しかし、屋根裏収納の工事をリフォーム会社に頼んだ場合、6畳・はしご込み・断熱工事なしで30万円程度のコストがかかります。
DIYは、コストを材料費のみに抑えることが出来るのが最大のメリットです。
作りたい収納の床面積やどこまで作り込むのかにもよりますが、実は材料費だけなら大した金額ではなく、数万円でできてしまいます。
屋根裏は狭くて作業がしにくいですが、その分完成したときの感動は大きいものです。
皆さんもぜひチャレンジしてみてください。
ただし、夏場の作業はとても暑いので、夏以外の季節に作ることをお勧めいたします。
DIYで屋根裏収納を作るおおまかな手順は、
- 屋根裏を点検する
- はしご等の昇り降りするための装置を取り付ける位置を決め、天井を開口し、取り付ける
- 床にする部分に角材を渡し、床板を貼る
- 屋根裏の天井にベニヤ板を貼る
- 換気扇、照明器具を取り付ける
- 床にタイルカーペットを敷く
となります。
屋根裏収納を作る方法と実例を紹介した記事はこちらです。ぜひ参考にしてみてください。
屋根裏に昇り降りするための装置3種について
屋根裏収納には昇り降りするための装置が必要です。
- 固定階段
- 収納式のはしご
- 普通の(可動式の)はしご
これらのいずれかを取り付けることになります。
1つ目の固定階段は市町村によっては禁止しているところがあるので、事前に役所へ問い合わせをして確認したほうが良いでしょう。使い勝手が良く安全であることがメリットですが、設置場所が必要であることと設置費用が高いことがデメリットです。
2つ目の収納式のはしごは、普段は天井裏に隠れるようにはしごを折りたたんで収納しておき、使用する時に専用の開閉棒で天井から引き出すため、場所も取らずとても便利です。建材メーカーから製品として発売されています。一般的には固定階段よりも安い費用で設置できます。
3つ目の普通の(可動式の)はしごは、普段は壁面に立て掛けておくか、または近くの壁面に設けたバー(パイプ)などに掛けておき、使用時にそのはしごを持ち上げて上部のバー(パイプ)に掛けて昇り降りするもので、ロフトに設置されるケースが多いタイプです。オリジナルで造作する場合もありますが、建材メーカーからも製品として発売されています。設置費用が安く設置が簡単なことがメリットですが、普段はしごを掛けておく場所が必要なことと昇り降りしにくいことがデメリットです。
筆者がオススメするのは2つ目の収納式のはしごです。
収納式のはしごをDIYで1人で取り付ける方法と実例を紹介した記事はこちらです。ぜひ参考にしてみてください。
リフォームする前に、デッドスペースがないか調べてみよう
これまでに壁面、階段上、屋根裏のデッドスペースに収納を作って有効活用する方法と実例をご紹介しましたが、いずれも実行するには勇気が必要な大規模なリフォームばかりでした。
そこでリフォームはちょっと…という方にアドバイスです。
この他にも、あなたのお家の中にデッドスペースはないでしょうか?
たとえば、次のようなデッドスペースの例があります。
- 洗濯機の横・・・隙間が狭くピッタリの棚が見つかりにくい。洗濯用品を収納すると便利そう…
- 冷蔵庫の横・・・隙間が狭く冷蔵庫の放熱のため棚が置けない
- キッチンや洗面所のシンク下・・・幅や高さを活かせていない。ごちゃごちゃしている
- 洋服ダンスの扉の裏・・・ベルトやネクタイを掛けることができるが、使っていない
- 押入れ・・・奥行きを活かせていない
- 押入れの天袋・・・位置が高すぎて使っていない。収納したら最後、見ることがないかも…
- 扉付きの棚・タンス・・・物を目の前にずっと置いてあり扉が開けにくいため使っていない…
- ベッド下・・・掃除がしにくい。引き出しがついていても開け閉めするスペースがない、または開け閉めしにくい
これらはあくまで一例です。
これまではデッドスペースに収納を作って有効活用する方法をご紹介してきましたが、上記の1、2は収納を設置すれば有効活用ができるケースですが、3~7はそもそも収納で、8も引き出しがついたタイプのものは収納です。
このように、お家の収納力不足にお悩み中であっても、既にある収納を活用しきれず、収納の中にデッドスペースができてしまっている例は多いです。
屋根裏などの大がかりなリフォームをする前に、まず、今ある収納の中にデッドスペースができていないか調べてみましょう。
それでもデッドスペースがない場合は、お家の中の他の場所のデッドスペースを探していくと良いでしょう。
そして、勇気が湧いてきたらDIYリフォームにもぜひチャレンジしてみてくださいね。
それでは!