レザークラフトは、楽しくて創造的な趣味です。しかし、初めての人にとっては、何を買うべきか、どのようなスキルを身につける必要があるか、何から作るのが良いのかわからない方も多いでしょう。

レザークラフトを始めたいけど、何から始めたらいいのかわからないな…。



どんな道具を揃えたらいいの?



道具セットってどうなのかな?
本記事では、初心者でもレザークラフトで手作りの革製品がつくれるよう、必要な道具や作り方などの基本的な情報を解説します。
レザークラフトを始めるには


必要な道具と材料を揃える
最初に必要なのは、レザークラフトに必要な道具と材料を揃えることです。オススメの買い方は、ある程度必要な物が揃う道具セットを買って、セットに含まれていない道具を買い足す方法です。
オススメの道具セット
こちらのセット内容は全て日本製の道具で構成されており、オススメです。


ただし、裁断する道具(カッター、別たち、革包丁など)とマットは含まれていないので、お好みの道具を買い足す必要があります。
簡単なモノを選ぶ
次に、初心者向けの簡単なモノを選ぶことをオススメします。例えば、革のブレスレットやキーケース、カードホルダーなどがあります。これらのモノは比較的簡単で、レザークラフトの基本的なスキルを習得するのに適しています。
情報を学ぶ
YouTubeや本、オンラインコミュニティなど、レザークラフトを学ぶためのさまざまな情報源があります。それぞれに良いところはありますが、本記事では初心者にオススメの本を5冊ご紹介します。これらを活用して、自分のスキルを向上させることができます。



さあ、レザークラフトを始めて、お気に入りの革製品を作ってみましょう!
おすすめ道具・材料


ここでは、オススメの道具・材料を作業の工程ごとに分けてご紹介していきます。
おすすめ道具・材料(裁断)
別たち
最初は革包丁よりも「別たち」から始める事をオススメします。
理由は、革包丁に近い使い方ができるのに、値段が安いからです。
革包丁は砥石等の研ぐ道具も必要になりますので、初期投資にお金が掛かります。
「別たち」は切れが悪くなっても替え刃を交換するだけで新品状態に戻ります。


革包丁
レザークラフト専用の革を切るための道具。
さび予防や切れ味を出すために砥ぐなど、初心者には少々メンテナンスが大変ですが、カッターナイフに比べて切れ味は抜群。少し値は張りますが、持っていて損はありません。


ビニール板
ビニール板、通称ビニ板と呼ばれ、革を裁断する際に下敷きとして使用する道具です。
薄くて硬いカッターマットと違い、ビニール板は柔軟性があり、適度に刃が食い込むことで、
- 革包丁やカッターの刃が痛まない
- 確実に革をくり抜くことができる
というメリットがあります。


目盛りつきスコヤ
金属製、幅広の直角定規。革包丁やカッターを当てて革を裁断するときに使用します。


銀ペン
レザークラフト用の銀色のインクが出るボールペンです。
光沢のある革に使用できて、裁断線や穴位置の印をつけるのに便利。失敗しても消すことができます。





100均のカッターとカッターマットでも代用することが可能ですが、予算に余裕がある方や、より本格的にやってみたいという方にはこれらをオススメします。
おすすめ道具・材料(トコ面とコバの仕上げ)
トコノール(※)
トコ面(革の裏面のこと。)、コバ(革の裁断面、切り口のこと。)の仕上げ剤です。トコ面やコバに塗るだけで美しいツヤを生み、革を保護して汚れから守る効果もあります。革の毛羽立ちを抑え、丈夫に仕上がります。
(※ 10cube Leathermartのセットにはトコノール、またはトコプロが入っています)


ヘリ落とし(※)
革を切った後に、角をキレイに処理する道具です。この処理をするとしないとでは、できあがりの見栄えがまったく違います。レザークラフトでは必須の道具です。
(※ 10cube Leathermartのセットには入っています)


スリッカー
スリッカーまたはへりみがきと呼ばれ、革製品のコバを磨く道具です。
コバとは、革製品の切り端のことで、コバの仕上がりは使い心地にも大きく影響しますので、しっかりと磨きましょう。
材質や、木の種類などさまざまなスリッカーが存在します。


おすすめ道具・材料(接着)
木工用ボンド(※)
(※ 10cube Leathermartのセットには白ボンドが入っています)


ヘラ(※)
(※ 10cube Leathermartのセットには入っています)


皮革用強力ボンド


ローラー
ボンドを塗って貼り合わせた革を強く抑えて接着するために使用します。手縫い後の縫い目を抑えて糸を革になじませ、仕上がりを良くするためにも使用します。





このカテゴリーのモノは100均で買えるモノが多いですね。ローラーは、100均のモノはプラ製で軽いので専用品をオススメします。
おすすめ道具・材料(縫い穴あけ)
菱目打ち(※)
レザークラフトの手縫いは菱目打ちで空けた穴に針を通して縫っていきますので、ステッチのある作品を作りたいと思ったら菱目打ちは必須の工具です♪
1、2、4本目があれば、カーブにも対応できます。
刃先の幅、ピッチは好みですが、2mm幅4mmピッチが平均的なものです。ピッチの異なるものを持っていると、縫い目を作るアイテムによって選べます。
サイズで迷った時はクラフト社の「2mmサイズ」を買うと良いでしょう。
※SEIWA社・協進エル社の「4mmサイズ」(4mmピッチ)はクラフト社の「2mmサイズ」(2mm幅)と同じです。
(※ 10cube Leathermartのセットには3mmピッチと5mmピッチの2本目、4本目が入っています)








ゴム板(※)
ひし目打ちなどの穴あけ加工をするときに下敷きとして使用します。ゴム板を使用することで、ひし目打ちなどの刃先を痛めることを防ぎ、机やテーブルなどがキズつくのも防げます。また、ゴム板の下にフェルトを敷くと防音対策になります。
(※ 10cube Leathermartのセットには入っています)


木槌(※)
菱目打ちなどの穴あけ加工や刻印の作業に使用する道具。金鎚では菱目打ちなどの道具を痛めてしまうことがあります。木槌を使用することで、道具を傷めずに使えます。100均のゴムハンマーでも代用できます。
(※ 10cube Leathermartのセットには入っています)


目打(丸錐)(※)
印付けや穴あけ、縫い目をほどいたり、ボンドを塗布したりするときに、あると便利な道具です。
(※ 10cube Leathermartのセットには入っています)


ネジ捻またはステッチンググルーパー(※)
どちらも縫い線のガイドラインを作る道具です。
ネジ捻は、革の上に手縫いのガイドラインの線を引く道具です。綺麗に線を引くことができます。


ステッチンググルーパーは、厚みのある革に縫い線の代わりになる溝を掘って糸が溝に収まりやすくする道具です。糸が溝に収まることで、糸の摩耗を防げますし、見栄えがよくなります。ただし、薄い革の場合は、溝の部分の耐久性が落ちることもあります。
(※ 10cube Leathermartのセットにはネジ捻が入っています)



こちらのカテゴリーは特殊なモノが多く、専用品を購入するしかありません。(目打ちは100均でも買えますけど。)
おすすめ道具・材料(手縫い)
革用手縫い針(※)
普通の針と違って、レザークラフト用の針は革を傷つけないように先端が丸くなっています。糸の太さに応じて細い針と太い針を使い分けます。
(※ 10cube Leathermartのセットには入っています)


麻糸(※)
値段が安く、初心者にも扱いやすい革用の縫い糸です。
カナガワが販売しているエスコードという麻糸が最もベーシックです。ロウ引きをしてから使用します。
(※ 10cube Leathermartのセットには入っています)


ロウ(※)
糸をロウ引きすることで、滑りやすくし、縫いやすい状態にします。また、糸の毛羽立ちを抑え、丈夫にするとともに、防水の役目をして糸を保護します。
(※ 10cube Leathermartのセットには入っています)


ポリエステル・ナイロン糸
ポリエステルやナイロンの糸で、毛羽立つことはありません。ビニモやシニュー糸などがあります。
見えない部分なら糸の始末をボンドではなく、ライターなどの火であぶり溶かして止めることができます。






おすすめ道具・材料(金具取り付け)
ハトメパンチ
使う金具によってサイズを変える必要があります。まずは安価なセット品を試してみることをオススメします。必要なサイズが精度が悪い場合は、後で買い替えると良いでしょう。


ホック打ち具
ホックもサイズがたくさんあるため、まずは安価なセット品を買って、必要に応じて買い替えるのが良いでしょう。


セット品の打ち台はこちらのメタルプレートに買い替えた方が良いでしょう。


レザークラフトはキットで始めると簡単です


初心者でも簡単に作れるモノを選ぶ場合、もっともオススメなのは初心者キットです。
- 誰でもキレイに作れる
- 型紙が必要ない
- キット専用の道具セットもある
例えばこんな感じのモノがあります↓


こちらのキットでは、簡単に小銭入れが作れます。
なぜ簡単なのでしょうか?
初心者キットの特徴について考えてみましょう。
- 革を選ぶ必要がない
- 革はあらかじめ作品の形にカット済み
- 型紙が不要
- 材料がすべて揃っている
- 説明書が付属
- 初心者でもキレイに作れる
- 特定のスキルを学べる



なるほど。簡単にできるように工夫されていますね。
初心者キットは革を切る必要がない
初心者キットには、あらかじめ必要な形に切った状態の革が入っています。
- 革を切る道具が不要
- 裁断する手間がかからない
- 裁断ミスによるムダがない
- 型紙が不要



いろんなメリットがありますが、型紙が不要なのは初心者には良いですね。
型紙を探したり、買ったり、作ったりするのも、時間とお金と手間がかかりますが、それが必要なくなります。
初心者キットで得られるスキル
初心者キットは、基本のスキルをしっかり学べるようになっています。
例えば、先にご紹介したコインケースのキットでは、次のようなスキルを習得することができます。
- トコ面とコバの仕上げ
- 縫い穴の穴あけ
- 手縫い



他のスキルを学べる別のキットを作ってみると、またさらにスキルアップができますね。
初心者キットで作るための道具
クラフト社のキットのパッケージ裏の商品説明を見ると、以下のような記載があります。
用意するもの‥レザーハンドソーイングセット ライト





商売上手ですね~。
確かに道具もキットと同じメーカーで揃えると安心な気がしますが、本記事の冒頭でご紹介した10cube Leathermartのセットと比較してみました。


10cube Leathermart レザークラフトコンプリートキット 18点セット | 10cube Leathermart レザークラフトコンプリートキット 18点セット+書籍 | クラフト社 レザーハンドソーイングセット ライト |
---|---|---|
菱目打ち2本(2.5㎜巾)1本 | 同左 | 2本ヒシ目打〔2mm巾〕 |
菱目打ち4本(2.5㎜巾)1本 | 同左 | 4本ヒシ目打〔2mm巾〕 |
菱目打ち2本(1.5㎜巾)1本 | 同左 | ― |
菱目打ち4本(1.5㎜巾)1本 | 同左 | ― |
ジラコヘラ40㎜1本 | 同左 | ジラコヘラ〔20mm〕 |
ゴム板(小)1枚 | 同左 | ゴム板(極小)、フェルト〔15×25cm〕 |
丸錐1本 | 同左 | 丸ギリ |
菱錐1本 | 同左 | ― |
エスコード麻糸(太)生地25m | 同左 | 手縫いロウビキ糸(細)〔25m〕白 |
エスコード麻糸(細)生地30m | 同左 | ― |
メリケン針(3本) | 同左 | 手縫針(丸針•細) 5本 |
ミニロウ1個 | 同左 | ― |
白ボンド(180ml)1個 | 同左 | サイビノール100番〔80ml〕 |
トコノール無色(120g)1個(またはトコプロ) | 同左 | トコフィニッシュ〔80ml〕 |
木槌(タイコ)1本 | 同左 | 木槌(並) |
ネジ捻1本 | 同左 | ステッチンググルーバー |
ヘリおとし0.8㎜1本 | 同左 | へりおとし(No.1) |
コバ磨き帆布1枚 | 同左 | ヘラ付へりみがき、サンドスティック1本 |
― | 書籍「レザークラフト技法事典-クラフト学園虎の巻-」1冊 | ガイドブック |



目立った違いは、10cube Leathermart のセットの方が2,000円高く、菱目打ち2本、菱錐が1本多いというところですね。
真ん中の列の10cube Leathermartの書籍セットは、書籍を別に購入するよりはお得な価格設定になっていますので、オススメです。
初心者におすすめ!わかりやすいレザークラフトの本5選


材料と工具がそろったら、さっそくレザークラフトに取り掛かってみましょう。
とは言え、初めて作る場合、「この道具はどうやって使うの?」「どうやって作ればいいの?」とお困りの方もいらっしゃることでしょう。
そんなときは、道具の使い方や必要な材料の解説、原寸大の型紙が付属している本を探してみましょう。
今の時代はインターネットに情報があふれていますが、初心者がレザークラフトを始めるときには、紙の本が有利な場合が多いです。
ここでは、レザークラフトの初心者の方にオススメの本を5冊ピックアップしました。原寸大の型紙が付属していたり、写真が多くわかりやすい本が手元にあれば、きっと役に立つはずです。どの本もプロが監修しているので信頼もできます。



それでは、オススメの本を紹介していきます。
1.はじめてのレザークラフト


まず最初の1冊は、レザークラフト初心者に向けたこちらの本。
この本は、初めてレザークラフトを行う人に向けて、最小限の道具で簡単に小物を作れるように説明しています。基本的な手縫いで作る小物6点と他の技法を合わせて作る5点の作り方を写真と共に紹介しており、それぞれの作品の前に基本的な手順も解説しています。作例集や専門用語の解説もあり、初心者にとってのバイブルとなる一冊です。
2.レザークラフト 技法事典


2冊目にご紹介するのは、こちらの本。
この本は、レザークラフト作品を単に形にするだけでなく、より上手に仕上げたい人向けに、クラフト学園の指導の元で様々な技法を解説しています。レザークラフトに関する様々な知識が詰め込まれており、シリーズの他の書籍と合わせて使うことで、作品作りのレベルアップが可能になると言えます。


こちらの道具セットに付いている書籍は、この本です。
なお、この本はAmazonのKindle Unlimited の登録者であれば、無料で読むことができます。
3.レザークラフト型紙集24


3冊目にご紹介するのは、型紙が24種類ついているこちらの本。
この本は、シンプルで実用的な革小物の24種類の型紙と組み立て手順を紹介しています。年齢や性別を問わず使えるものばかりで、抜粋された工程写真で難しい部分も詳しく解説されています。サンプル通りに作るもよし、アレンジするもよし。さらに、手縫いレザークラフトの定番の構造を網羅しているので、オリジナルの作品を作る際のアイデア集・テクニック集としても使えます。便利な「金具図鑑」や「道具図鑑」もついています。
4.手縫いで作る上質な革小物


4冊目にご紹介するのは、こちらの本。
「URUKUST(ウルクスト)」という革製品ブランドが、つくることをコンセプトに、初めての著書を発表しました。初心者でも作りやすいよう、できるだけシンプルな構造と行程で24種類のアイテムを提案しており、カードケース、コインケース、バッグなどの小物が掲載されています。革小物の制作プロセス全般について、型紙作りから裁断、手縫い方法、金具の付け方まで詳しく説明されています。上質な革で作られた作品は、使い込むほどに上品な艶や味わいが増し、愛着を持って長く使えるようになっています。
5.レザークラフトスタートブック


5冊目にご紹介するのは、こちらの本。
この書籍は、レザークラフト初心者向けの入門書で、知識ゼロから始められるように作られています。長々とした導入はなく、最低限の知識を読んだ後、すぐに16の素敵なアイテムを作ることができます。型紙やテクニックの資料も付属しています。
6.レザークラフト関連の本は読めないものが多い?! Kindle Unlimited
今回は5冊の本をご紹介しました。
本記事の執筆時点では、レザークラフト技法事典を除き、AmazonがKindle Unlimitedに設定していないため、登録者であっても、いずれも無料で読むことはできません。
もし読めたとしても、電子書籍だと型紙は使えませんよね。そういった理由から、レザークラフトの解説書は読み放題に設定されていないのでしょうか。
Kindle Unlimited は、Amazonから提供されている電子書籍の読み放題サービスです。定額の月額料金を払うと、AmazonがKindle Unlimited に設定している本がすべて読み放題になります。何冊読んでも追加料金はなく、好きなだけ本を読むことができるオススメのサービスです。



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まとめ
繰り返しになりますが、道具は、セットを購入して足りないものを追加で買うのがオススメです。100均の道具などで代用することも一つの手であり、またそこがDIYの楽しみでもあります。
レザークラフトは、素晴らしい趣味であり、多くの人々に愛されています。必要な道具と材料を揃え、簡単なモノから作り始め、スキルを練習し、情報を学ぶことで、自分だけの素晴らしい作品を作ることができます。
また、レザークラフトは、手作りの品質と個性を重視する人々にとって、素晴らしいギフトアイデアでもあります。誕生日やクリスマスなどの特別なイベントには、自分で作ったレザーアイテムをプレゼントすることができます。
最後に、初めてのレザークラフトは、時間と忍耐が必要です。最初は失敗することもあるかもしれませんが、あきらめずに練習し、スキルを向上させることが大切です。ぜひ、楽しみながらレザークラフトを始めてみてください。