みなさん、こんにちは。
「階段の吹き抜けって2階の天井まで空間が広がっていてもったいない。なんとかこれを有効活用できないかな。」と考えている方は多いのではないでしょうか?
今回は、この階段上のただの空間になっているデッドスペースにDIYで収納を設置する方法をご紹介します。
この記事でわかること
- DIYで階段上の空間に収納を設置する方法
- 収納に手が届かない問題を解決する対策法
- 幅広の板を購入せずに作る方法
収納は増やしたいけど、自分で作るのは難しそう…
今回は、簡単に作れるように工夫しました。
私は背が低いから上まで手が届かなくて使いにくいのでは?
使い勝手も考慮しましたので、そこは大丈夫です。
階段上のデッドスペースを有効活用して収納を作る手順【実例】
今回の手順で取り付けられる階段の種類について
階段の種類は、形によって「直階段・かね折れ階段・折り返し階段・らせん階段」の4種類に分けられます。
今回は「かね折れ階段」に施工しました。
「かね折れ階段」とは、途中の踊り場で、直角に向きを変える階段で、吹き抜けに設置すると視線の変化も楽しめ、空間演出効果が高まるというものです。
この「かね折れ階段」の吹き抜け部分に収納を作る手順を解説します。
階段上の空間に棚を取り付けるときは、
- 地震があっても落ちないように固定する
- 階段を通るのに邪魔にならない位置に取り付ける
- 階段からでも物の出し入れができる工夫をする
このような点に気を付ける必要があります。
「かね折れ階段」でなくても、収納を付けたい部分の左右に壁があれば、同様の手順で取り付けが可能な場合もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
必要な道具、材料
電動工具があると作業効率が全然違いますので、最低限インパクトドライバーくらいは持っておいた方が良いでしょう。
「高い工具をいきなり買うのはちょっと」という方は、ホームセンターによっては貸し出しサービスを行っているお店もありますので、まずはお試しに借りてみると良いでしょう。
- 電動インパクトドライバーか、または電動ドライバードリル
- ドライバービット・ドリルビット
- 電動丸ノコ(手鋸しか持っていない場合は、ホームセンターのカットサービスを利用しても良いです。)
- メジャー、さしがね
- 電動サンダーか、またはサンドペーパー
- 塗装用のハケ
- 材木(ワンバイ材、ツーバイ材など)
- カラーボックス
- 金物(木ネジ、丁番、ステンレス丸棒ラッチなど)
- 塗料(ワトコオイル、ブライワックス、ペンキなど)
階段上収納を作る手順
まず、階段上収納を作る前に、棚板を1枚用意しておきます。
今回の事例で棚板に使用した材木は、ツーバイ材[2×4][木口寸法:38×89mm]をビスケット(ブナの木または合板を圧縮して作られた木製のチップ)で3枚つないだものです。
棚板は皆さんが設置したい収納の奥行きに合ったサイズの板を用意してください。
棚板を作る手順は次のとおりです。
- 設置したい階段収納の奥行きに必要な奥行きの板を用意する
- 階段の横幅に合わせて、板をカットする
- カットした板をサンドペーパーなどで磨く
- ワトコオイルなどで塗装する
幅の広い材はとても高価なので手が出しにくいですよね。
そんなときは、幅の狭い材をジョイントカッターで溝加工し、ビスケットと木工用ボンドでつなぐことで、大きい板が安上がりにできます。
ジョイントカッターとは、木材に薄く平たい溝加工をする切削工具です。木材に溝をあけ、ビスケットと呼ばれる小さい木片をはめて木工用ボンドで接着することにより木材同士を強固に接合することができます。ビスケットジョイナーとも呼ばれます。
このように、マキタのジョイントカッターはコード式でも結構値が張ります。
マキタのバッテリーと充電器をお持ちの方は、充電式の方が安上がりになります。
筆者はこのピーウッドのビスケットジョイナーを購入して、ホームセンターで購入したツーバイ材を使って広い板を作ってみました。
このビスケットジョイナーの使用感は、『ガタつきが少しあるものの、慣れれば問題なく使えるもの』です。
しかし、ホームセンターのツーバイ材[2×4]は角が直角ではなく微妙なゆがみがあるため、ビスケットでつないだ接続部分にところどころ隙間ができてしまい、キレイな板にはなりませんでした。
結局、ジョイントカッター(ビスケットジョイナー)の精度よりも、使用する木材の精度の方が重要だと感じました。
ホームセンターで木材を購入する際には、なるべく反りや歪みの少ない木材を選ぶようにしましょう。
より本格的なDIYにチャレンジしたい方は
精度の高い木材を入手するには、製材所で木材を購入するか、自分でプレーナーという道具を使って木材を削って精度を高める方法があります。
DIYで木材の精度を上げるためには、次の2種類のプレーナーを使って削る必要があります。
- 手押しカンナ(材の角を直角にするときに使用)
- 自動カンナ(材の厚みを調節したり、反りを直すときに使用)
手押しカンナで直角を出してから、自動カンナで対面を削って厚みを調節するという使い方です。
プレーナーは、以下の商品がオススメです。
手押しカンナは、京セラ(旧リョービ)のHL-6Aが廃盤になりましたので、こちらの商品がオススメです。音は京セラよりも静かです。
ただし、切削幅が6インチ(152mm)のため、ツーバイ材に使用する場合は、2×8(ツーバイエイト)は木口寸法が38×184mmですから、2×6(ツーバイシックス)[木口寸法:38×140mm]までが限度となります。
DIYで使用するにはとても高価ですが、自動カンナは、マキタのこちらの商品が間違いなくオススメです。
プレーナーはとてもたくさんの木くずがでますので、予算に余裕があれば、集じん機があった方が良いです。マキタのこちらの商品がオススメです。
予算に余裕がなくてどれか1つだけ購入する場合は、自動カンナをまず購入することをオススメします。
直角を出したいときは、手押しカンナの代わりに、丸ノコを使って直角に切断するのも1つの方法です。また、集じん機がないと掃除が大変ですが、なくても作業は可能です。
階段の左右の壁に幕板(1階から2階にいたるところに飾りのように入れてある板のことです。)がある場合は、幕板を補強し、棚板を載せてネジ留めします。幕板がない場合は、壁の中に下地がある部分を利用して角材を取り付けて、棚板を載せる部分を作ります。
棚をすべて自作するのは手間がかかることと、棚板がカラーボックスの奥行きとほぼ同じであることから、棚板を付けてその上にカラーボックスを置くことにしました。(すべてを自作したいという方や、設置する棚板の奥行きがカラーボックスの奥行きと合わない場合は、棚を自作してくださいね。)
また、はしごを使わなくても上の段まで手が届くようにするために、普段は扉の状態で、出し入れするときだけ、下ろして床板になるような扉の構造にします。
階段の収納は物が落下したらとても危険なので、扉が必要ですから、これはとても合理的です。
画像は、カットした板をとりあえず置いてみたところです。
「棚板」を幕板に斜めにネジ留めします。
「棚板」と「棚の扉になる板」(同じ厚さの板)を蝶番でつなぎます。
蝶番を取り付ける部分は、丁番の厚みの分だけトリマーまたはノミで溝加工をします。
「棚の扉になる板」は床板にもなります。人が乗るため、かなりの厚みが必要です。
左右両側の壁に天井までの長さのワンバイ材[1×4][木口寸法:19×89mm]を2枚ずつ合計4枚取り付けます。
壁が中空の石こうボードの場合は、石こうボードアンカー等を使用して木ネジで留めます。
オススメは、若井産業のトグラーです。石こうボードの厚みに合った種類を選んでくださいね。
土台の棚板に、カラーボックスを置きます。
今回はカラーボックスを2つ並べて置きました。
カラーボックスの片方の側板を壁側のワンバイ材に、地板を土台のツーバイ材に、木ネジを使って固定します。
カラーボックスの天板の上にもツーバイ材[2×4][木口寸法:38×89mm]を3枚つないだ板を置き、左右の壁のワンバイ材に斜めにネジ留めします。
2つのカラーボックスの隙間には、材木をはめます。
今回はツーバイ材[2×4][木口寸法:38×89mm]がピッタリでした。
手前側と奥側に2本入れます。
2つのカラーボックスの側板を、それぞれこの縦2本のツーバイ材に木ネジでしっかり留めます。
さらに、土台の棚板、カラーボックスの天板の上のツーバイ材の棚板についても、この縦2本のツーバイ材に、上下から長めの木ネジでしっかり留めます。
必要に応じてコンセントを付けます。
コンセントを付ける場合は、あらかじめカラーボックスと壁に埋込型のパネルボックスを入れる穴を開けておきます。
露出型のボックスもありますが、収納部分が減りますので、埋込型がおすすめです。
なお、筆者は電気工事士の資格を持っているので自分で電気の配線やコンセントの取り付けをしましたが、電気工事士の資格がない方は配線に関わる電気工事は決して行わないようにしましょう。
「扉」兼「床板」(ここでは「扉床板」と呼ぶことにします。)を完成させます。
普段は扉の状態で、物を出し入れするときだけ、扉を下ろすと床板になるような構造です。
扉床板は、ツーバイ材[2×4][木口寸法:38×89mm]をビスケットで10枚つないだ板で作りました。
扉の高さは、扉を床板にした状態のときに、階段から歩いて渡れる程度の位置に扉床板の端が来る程度の高さが適当です。階段から扉床板まで隙間がありすぎてジャンプしないといけないようなら、その扉は低すぎます。
また、階段に立った状態で手が届く高さに、扉をロックする機構を作ります。
カギはステンレス丸棒ラッチを縦向きで使います。
また、扉を下ろして床板にすると手すりに当たる場合は、その部分を切り欠くなど、手すりに当たらないように加工します。
これでとりあえず完成です。
画像は扉を閉じた状態です。
扉を閉じた状態だと、吹き抜け部分の壁から約30cm程度を利用しただけですので、階段の昇り降りにもまったく圧迫感はありません。
扉を開けて扉床板に乗れば、楽々と物を出し入れすることができます。
壁の両側には、天井まで4本のワンバイ材[1×4]を設えていますので、さらに上にも棚を作ることが可能です。
落ち着いたら、上の棚も作る予定です。
上の棚には、開き戸や折れ戸を付けることも可能です。
まとめ
今回は、階段上のデッドスペースとなっている空間を利用して収納を作る方法を解説しました。
カラーボックスを活用することで、簡単に収納棚を作ることができました。
このように、家の中のデッドスペースも、工夫次第で収納に作り替えることができます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
それでは!