エアコンの室外機にあるサービスポートから冷媒ガスがじわじわ漏れている場合、「バルブコア(通称:ムシ)」の劣化が原因のことがあります。
今回の交換作業で使用するイチネンTASCO TA230S バルブコアリムーバー(HFC用ムシ入)は、冷媒が入った状態のままバルブコアを取り外せる「バルブコアチェンジャー」ではありません。
そのため本記事では、先にポンプダウンして冷媒を室外機内部へ回収・封じ込めたうえで、バルブコアリムーバーを使ってバルブコアを交換します。
T部長今回は実際に自宅のエアコンでバルブコアを交換しました。作業中に撮影した写真も使いながら、私が行った手順を順番に紹介します。
バルブコア交換後の真空引きには、サービスポートにイチネンTASCO TA166ZA 耐圧兼用チャージバルブを取り付けて作業します。
冷媒回路は高圧になるため、誤った操作をすると冷媒の噴出や凍傷など重大な事故につながります。作業前に必ず使用しているエアコンの据付説明書を確認してください。
⚠️ 作業前に必ず確認してください
- 冷媒ガスは高圧で封入されており、液冷媒に触れると凍傷や目の負傷につながるおそれがあります。
- 保護メガネと厚手の作業手袋を必ず着用してください。
- 今回使用するバルブコアリムーバーには、冷媒を遮断しながらムシを交換する機構はありません。冷媒圧力がかかった状態でバルブコアを取り外さないでください。
- ポンプダウン方法はメーカー・機種によって異なります。必ず使用しているエアコンの据付説明書を優先してください。
- 作業はすべて自己責任です。不安がある場合は専門業者への依頼をおすすめします。
- 家庭用ルームエアコンは、フロン排出抑制法上の「第一種特定製品」には該当しません。ただし、冷媒を意図的に大気へ放出しないように作業することが重要です。
📌 この記事でわかること
- バルブコア(ムシ)の役割と交換が必要になる症状
- バルブコアリムーバーとチャージバルブの役割
- バルブコア交換前にポンプダウンする理由
- ポンプダウン→ムシ交換→真空引き→冷媒を戻す一連の手順
- 作業後の冷媒漏れ確認方法
- DIYを中止して専門業者へ相談した方がよいケース
バルブコアとは?役割と交換が必要な症状
バルブコア(ムシ)は、エアコン室外機のサービスポート内部に取り付けられている小さな弁部品です。
中央のピンが押されると弁が開き、離すと閉じるシュレーダーバルブ構造になっており、通常時にはサービスポートから冷媒が漏れるのを防いでいます。


バルブコア内部のシール部分が経年劣化すると、わずかな冷媒漏れが発生することがあります。
次のような症状がある場合は、バルブコア周辺からの漏れが疑われます。
- サービスポートのキャップ内部に冷凍機油が付着している
- 漏れ検知液や石鹸水を塗ると泡が継続して発生する
- 冷房・暖房の効きが徐々に低下している
ただし、冷媒漏れはフレア接続部や配管など別の場所から発生する場合もあります。「エアコンが冷えない=バルブコアが原因」と決めつけないことが重要です。
【最重要】バルブコアリムーバーは冷媒封入状態では使えない
私が今回使用したバルブコアリムーバーは、バルブコアを回して取り外したり取り付けたりするための工具です。
冷媒を遮断する開閉バルブは備えていないため、冷媒圧力がかかった状態でバルブコアを完全に取り外すと、サービスポートから冷媒が噴き出して危険です。
そのため、本記事では先にポンプダウンを行い、冷媒を室外機内部に封じ込めてからバルブコアを取り外します。
なお、ポンプダウンしてからバルブコアを交換する方法以外に、冷媒を封入したまま交換できる専用工具を使う方法もあります。
イチネンTASCOの「TA230GA」は、開閉バルブを備えたバルブコアリムーバー&チェンジャーです。価格は通常のリムーバーより高くなりますが、今後もエアコンのメンテナンスをDIYする予定があるなら検討する価値があります。
今回のようなポンプダウンを伴う方法と比較して、どちらが自分の作業環境に合うか検討してみてください。
⚠️ バルブコアリムーバーと「バルブコアチェンジャー」は別の工具です
冷媒を封入したままムシ交換できる専用のバルブコアチェンジャーも販売されていますが、今回使用するバルブコアリムーバーはそのタイプではありません。本記事では必ず先にポンプダウンしてから使用します。
安全対策と作業前の注意点
| リスク | 内容と対策 |
|---|---|
| 冷媒の噴出 | ポンプダウンが不完全な状態ではバルブコアを外さない |
| 凍傷 | 液冷媒が皮膚に触れないよう厚手の作業手袋を着用する |
| 目の負傷 | 高圧冷媒が目に入る事故を防ぐため保護メガネを着用する |
| 空気・水分の混入 | ムシ交換後は真空引きを行う |
| ポンプダウン失敗 | 時間だけで判断せず、メーカー指定手順や圧力を確認する |
| 誤操作 | 二方弁・三方弁・チャージバルブを混同せず、それぞれの役割を確認する |
⚠️ 「5分待てばOK」とは限りません
私が実際に作業した際は、冷房運転中に二方弁を閉じてから約5分後に三方弁を閉じました。しかし、ポンプダウンに必要な時間は機種・配管長・外気温・運転条件などによって変わります。「5分」という時間だけで判断せず、使用しているエアコンの据付説明書に従ってください。
必要な工具と部品
今回の方法で使用する主な工具・部品は次のとおりです。
| カテゴリ | 品目 | 用途 |
|---|---|---|
| ムシ交換 | バルブコアリムーバー | 古いバルブコアの取り外し・新品の取り付け |
| 交換部品 | 冷媒に対応した新品のバルブコア | 劣化したバルブコアとの交換 |
| チャージバルブ | チャージバルブ | サービスポートとチャージホースの間に取り付けてムシの開閉を操作する |
| 漏えい防止 | ナイログ | 冷媒配管接続部やムシバルブ周辺のシール補助・漏えい防止に使用 |
| 真空引き | 真空ポンプ | ムシ交換時に入った空気・水分を配管・室内機側から排除する |
| 測定 | ゲージマニホールド・チャージホース | 圧力の確認や真空引きに使用 |
| 保護具 | 保護メガネ・厚手の作業手袋 | 冷媒による凍傷・目の負傷を防止する |
| バルブ操作 | 六角レンチ | 室外機の二方弁・三方弁を開閉する |
| 漏れ確認 | 漏れ検知液または石鹸水 | 作業後の冷媒漏れを確認する |



私はバルブコアとリムーバーを別々に購入したのですが、リムーバーにもバルブコアが6個付属していました。完全に買いすぎました。購入前に付属品を確認することをおすすめします。
バルブコアリムーバーとチャージバルブは役割がまったく異なります。バルブコアリムーバーはムシそのものを回す工具、チャージバルブはサービスポートとチャージホースの間に取り付けてムシを開閉するための工具です。
今回、冷媒ガス漏れ対策のシール補助としてアサダ「ナイログ」も使用しました。ナイログは冷凍機油をベースとした粘着性のあるシール材で、メーカーではフレア部やムシバルブ部などの漏えい防止用途を案内しています。
💡 ナイログは塗りすぎに注意
アサダでは、ナイログは硬化・乾燥しないシール材として案内されています。ただし、フレア接続部に使用する場合はフレア内面に薄く塗布し、ナットのねじ部などへの塗布は締め付けトルクに影響する可能性があるため避けるよう案内されています。
⚠️ 私はバルブコアを買いすぎました
今回私は、交換用のバルブコアとバルブコアリムーバーを別々に購入しました。ところが、購入したイチネンTASCO TA230S バルブコアリムーバーには、交換用のバルブコアが6個付属していました。
そのため、結果的にバルブコアを余分に購入することになってしまいました。これから工具をそろえる方は、バルブコアを単品で購入する前に、バルブコアリムーバーに交換用バルブコアが付属しているか確認することをおすすめします。
私のように「工具と交換部品が両方必要」と考えて先に別々に注文すると、買いすぎてしまう可能性があります。
真空ポンプはプロ向けの高品質な製品になると価格もそれなりに高くなります。信頼性や耐久性を重視するなら、冷凍空調工具メーカーのイチネンTASCO製を選ぶと安心です。
一方、DIYで年に何度も使うものではないので、「そこまで高価な真空ポンプは必要ない」という方も多いと思います。私自身はWEIMALLの安価な真空ポンプを購入して、今回のバルブコア交換後の真空引きにも使用しました。
使用頻度の少ないDIY用途なら、まずはこうした手頃な価格の製品を試してみるのも選択肢です。
↓ 私がDIYで実際に使っている安価な真空ポンプとゲージマニホールドのセット
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バルブコアを交換する手順|10ステップ
ステップ1:冷媒の種類とサービスポートを確認する


まず室外機の銘板を確認し、使用している冷媒の種類を確認します。
次に室外機の配管カバーを外し、二方弁(細管側)・三方弁(太管側)・サービスポートの位置を確認します。
サービスポート周辺に冷凍機油が付着している場合は、バルブコアなどから冷媒が漏れている可能性があります。
ステップ2:ポンプダウンして冷媒を室外機に封じ込める
バルブコアを取り外す前に、ポンプダウンを行って室内機と接続配管内の冷媒を室外機へ回収・封じ込めます。
まずエアコンを冷房運転します。外気温が低く通常の冷房運転ができない場合は、メーカー指定の方法で強制冷房運転を行います。
室外機が運転していることを確認したら、室外機側面のカバーを外し、二方弁(細管側)と三方弁(太管側)のキャップを外します。
六角レンチを使って、まず二方弁(細管側)を時計回りに回して全閉にします。
二方弁を閉じると室内機側への冷媒の送り出しが止まり、運転中のコンプレッサーによって室内機・接続配管側の冷媒が室外機へ回収されていきます。
冷媒の回収が完了したら、三方弁(太管側)を時計回りに回して全閉にし、その後すぐにエアコンの運転を停止します。これで冷媒を室外機内部に封じ込めた状態になります。
💡 私はゲージマニホールドを使わずにポンプダウンしました
今回の作業では、ポンプダウンの段階ではチャージバルブやゲージマニホールドを接続せず、冷房運転中に二方弁を全閉にし、冷媒を室外機側へ回収してから三方弁を全閉にしました。チャージバルブを使用したのは、バルブコア交換後の真空引きからです。
⚠️ ゲージマニホールドを使った方が確実です
ゲージを使わない方法では、冷媒の回収状態を圧力で確認できません。日本冷凍空調工業会(JRAIA)が示す一般的な方法では、三方弁のチャージポートにゲージマニホールドを接続し、二方弁を全閉にして冷房または強制冷房運転を行い、圧力がほぼ0MPaになったことを確認してから三方弁を全閉にします。より確実にポンプダウンするなら、ゲージマニホールドを使用して圧力を確認する方法をおすすめします。
なお、ポンプダウンの方法や強制冷房運転の操作はメーカー・機種によって異なる場合があります。実際に作業するときは使用しているエアコンの据付説明書を最優先してください。



私は今回、ポンプダウン時にはゲージマニホールドを接続せずに作業しました。ただ、圧力を確認できるゲージを使った方が、ポンプダウンの完了を判断しやすく確実です。
ステップ3:エアコンを停止し、二方弁・三方弁が全閉になっていることを確認する
ポンプダウンが完了したらエアコンを停止し、二方弁(細管側)と三方弁(太管側)がともに全閉になっていることを確認します。
適切にポンプダウンできていれば、室内機・接続配管側にあった冷媒は室外機へ回収され、二方弁・三方弁を閉じることで室外機内部に封じ込められた状態になります。
次のステップでは、サービスポートに取り付けられているバルブコアを完全に取り外します。そのため、冷媒が室外機側へ適切に回収・封じ込められていることが重要です。
⚠️ ポンプダウンできたか確信が持てない状態で、バルブコアを取り外さないでください。
ポンプダウンが不完全な状態でバルブコアを取り外すと、サービスポートから冷媒が噴き出すおそれがあります。特にゲージマニホールドを使わない方法では冷媒の回収状態を圧力で確認できないため、不安がある場合はそのまま作業を進めず、ゲージを使用して確認するか専門業者へ依頼してください。
ステップ4:古いバルブコアを取り外す


残圧がないことを確認したら、チャージバルブやゲージ類をいったんサービスポートから取り外します。
バルブコアリムーバーの先端をサービスポート内のバルブコアに差し込み、確実にかみ合わせます。
そのまま反時計回りに回して、古いバルブコアを取り外します。
取り外したバルブコアは、ゴムシールの劣化、変形、汚れなどがないか確認してみるとよいでしょう。





取り外した古いバルブコアと新品を並べてみました。見た目だけでは劣化が分かりにくい場合もあるので、新品と比較すると状態を確認しやすいです。
ステップ5:新品のバルブコアを取り付ける
使用している冷媒やサービスポートに適合した新品のバルブコアを用意します。
バルブコアリムーバーの先端に新品のバルブコアをセットし、サービスポートへ挿入します。
時計回りに回してバルブコアを取り付けます。
必要以上に強く締め付けると、バルブコアやサービスポートを損傷する可能性があります。メーカーから締め付け方法やトルクの指定がある場合は、それに従ってください。
ステップ6:チャージバルブをサービスポートに取り付ける


新品のバルブコアを取り付けたら、サービスポートにチャージバルブを取り付けます。
チャージバルブにチャージホース、ゲージマニホールド、真空ポンプを接続します。
チャージバルブを使用すると、真空引き終了後にサービスポート内部のバルブコアを閉じてからホース類を取り外すことができます。
ステップ7:配管・室内機側を真空引きする


今回の方法では、ポンプダウンによって冷媒を室外機内部へ封じ込めたあとに、バルブコアを取り外しています。
バルブコアを取り外している間、サービスポートを通じて室内機・接続配管側は一度大気に開放されるため、内部に空気や水分が入ります。
そのため、新しいバルブコアを取り付けた後は、チャージバルブを開いた状態で真空ポンプを運転し、室内機・接続配管側を真空引きします。
真空度や真空引き時間については、使用しているエアコンの据付説明書や真空ポンプの説明書に従ってください。
💡 真空引きは必ず行ってください
バルブコアを取り外したことで室内機・接続配管側が一度大気に開放されているため、空気や水分を排除するための工程として真空引きを行います。



私が使っているのはWEIMALLの安価な真空ポンプとマニホールドゲージのセットです。プロ向け工具ならTASCO製が安心ですが、DIYでたまに使う程度なら、こうした手頃な製品を試してみるのも一つの選択肢だと思います。
ステップ8:真空状態が維持されることを確認する
所定の真空状態になったら、使用しているゲージマニホールドや真空ポンプの手順に従って真空ポンプ側を遮断します。
その後、一定時間待ち、ゲージが大きく戻らず真空状態が維持されることを確認します。
真空状態を維持できない場合は、新しいバルブコアの取り付け不良、チャージバルブやホースの接続部、フレア接続部などからの漏れが考えられます。
原因が分からない状態で二方弁・三方弁を開けず、接続状態を確認してください。
ステップ9:チャージバルブを閉じて二方弁・三方弁を全開にする
真空引きと真空保持の確認が完了したら、まずサービスポートに取り付けているチャージバルブを閉じます。
チャージバルブを閉じることで、サービスポート内部のバルブコアが閉じた状態になります。
次に、室外機の二方弁(細管側)を反時計回りに回して全開にします。
続いて、三方弁(太管側)も反時計回りに回して全開にします。
これにより、ポンプダウンによって室外機内部に回収していた冷媒が、接続配管・室内機を含む冷媒回路全体へ戻ります。
💡 チャージバルブと二方弁・三方弁は別のものです。
本記事では混同を防ぐため、サービスポートに取り付ける工具を「チャージバルブ」、室外機本体の弁を「二方弁」「三方弁」と呼び分けています。
ステップ10:チャージバルブを取り外して漏れ確認・試運転をする
二方弁・三方弁がともに全開になっていることを確認したら、サービスポートからチャージバルブを取り外します。
その後、バルブコアを交換したサービスポート周辺に漏れ検知液または石鹸水を塗り、泡が継続して発生しないことを確認します。
漏れがなければサービスポートキャップと二方弁・三方弁のキャップを確実に取り付けます。
最後にエアコンを冷房運転し、正常に冷えること、異音や異常振動がないことを確認します。
作業後の確認方法
サービスポートから冷媒が漏れていないか確認する
バルブコア交換後は、サービスポートに漏れ検知液または石鹸水を塗ります。
小さな泡が付着するだけではなく、泡が継続して膨らんでいく場合は冷媒漏れの可能性があります。
バルブコアの取り付け不良やシール不良などが考えられるため、漏れたままキャップを取り付けて作業を終えないようにします。
冷暖房が正常に動作するか確認する
試運転では、次の点を確認します。
- 室内機から正常に冷風が出る
- 室外機が異常停止しない
- コンプレッサーや室外機から異常な音・振動がない
- サービスポートや配管接続部から冷媒が漏れていない
バルブコアを交換して冷媒漏れを止めても、長期間の漏れによって冷媒量そのものが不足していると、冷房の効きが十分に戻らないことがあります。
冷媒不足の確認や冷媒ガス補充については、別記事で実際の作業を詳しく紹介しています。
異常がある場合は運転を中止し、原因が分からなければ専門業者へ相談してください。
バルブコアリムーバーとバルブコアチェンジャーの違い
今回の記事で特に重要なのが、今回使用するバルブコアリムーバーは、冷媒が入ったままバルブコアを交換するための工具ではないという点です。
今回使用したタイプは、バルブコアを回して取り外したり取り付けたりするためのシンプルな工具で、冷媒圧力を途中で遮断する機構を備えていません。
そのため、冷媒圧力がかかった状態でバルブコアを完全に取り外すと、サービスポートから冷媒が噴き出すおそれがあります。
一方、冷媒圧力を遮断する開閉バルブを備えた「バルブコアリムーバー&チェンジャー」と呼ばれる専用工具もあります。このタイプであれば、対応する冷媒・サービスポートなどの使用条件を満たしたうえで、冷媒を封入した状態のままバルブコアを交換できる製品があります。
本記事ではそのタイプを使用していないため、最初にポンプダウンして冷媒を室外機へ回収・封じ込めてから、古いバルブコアを取り外します。
今回実際に行った作業の流れ
冷房運転
↓
二方弁(細管側)を全閉
↓
冷媒を室外機側へ回収(ポンプダウン)
↓
三方弁(太管側)を全閉
↓
エアコンを停止
↓
古いバルブコアを取り外す
↓
新品のバルブコアを取り付ける
↓
チャージバルブを装着
↓
ゲージマニホールド・真空ポンプを接続
↓
真空引き
↓
真空状態の保持を確認
↓
チャージバルブを閉じる
↓
二方弁を全開
↓
三方弁を全開
↓
チャージバルブを取り外す
↓
漏れ確認・試運転
今回私はポンプダウン時にはゲージマニホールドを接続せず、バルブコア交換後の真空引きの段階からチャージバルブとゲージマニホールドを使用しました。
ただし、ポンプダウンの完了をより確実に確認するには、三方弁のチャージポートにゲージマニホールドを接続し、圧力を確認しながら作業する方法が適しています。日本冷凍空調工業会(JRAIA)でも、ゲージマニホールドで圧力がほぼ0MPaになったことを確認してから三方弁を全閉する方法を、一般的なポンプダウン方法として紹介しています。
プロへの相談が必要なケース
次のような場合は、バルブコアだけをDIYで交換して解決しようとせず、エアコンメーカーや冷凍空調設備を扱う専門業者への相談をおすすめします。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| ポンプダウンできない | 無理にバルブコアを外さない |
| サービスポートに圧力が残っている | バルブコアリムーバーを使用しない |
| 冷媒がほとんど抜けている | 漏れ箇所の特定・修理と適正な冷媒量の確認が必要 |
| バルブコア交換後も漏れる | サービスポート本体やフレア接続部など、別の箇所の不具合を疑う |
| コンプレッサーに異音・異常振動がある | メーカーまたは冷凍空調設備の専門業者へ相談 |
| 電源配線・専用コンセントなどの電気工事が必要 | 作業内容に応じて電気工事士へ依頼 |
💡 家庭用と業務用エアコンではフロン排出抑制法上の扱いが異なります。
家庭用ルームエアコンは、同法における「第一種特定製品」には該当しません。そのため「家庭用エアコンの冷媒作業には第一種フロン類充塡回収業者の登録が必須」とする説明は適切ではありません。ただし、冷媒回路の修理には専門知識と設備が必要なため、対応が難しい場合は専門業者へ相談してください。
バルブコアから長期間冷媒が漏れていた場合は、バルブコアを交換して漏れを止めても、すでに冷媒量が不足していることがあります。
冷媒不足が疑われる場合の確認方法や、私が実際に行った冷媒ガス補充については、以下の記事で詳しく紹介しています。
まとめ|バルブコア交換時の最終チェック
✅ 作業開始前・作業終了時の確認リスト
- 使用している冷媒の種類を確認する
- 保護メガネと厚手の作業手袋を着用する
- 使用するエアコンのメーカー指定ポンプダウン方法を確認する
- バルブコアを外す前にポンプダウンを完了させる
- サービスポートに残圧がないことを確認する
- 新品のバルブコアを正しく取り付ける
- チャージバルブを取り付けて真空引きを行う
- 真空状態を保持できることを確認する
- チャージバルブを閉じてから、二方弁→三方弁の順に全開にする
- チャージバルブを取り外し、サービスポートを漏れ検知液または石鹸水で確認する
- 各キャップを確実に取り付けて試運転する
今回の作業で最も重要なのは、バルブコアリムーバーを冷媒圧力がかかった状態で使用しないことです。
今回使用するタイプのバルブコアリムーバーでは、先にポンプダウンして冷媒を室外機内部へ封じ込めてからバルブコアを交換します。その後、チャージバルブを使って真空引きを行い、チャージバルブを閉じたうえで二方弁・三方弁を全開にして冷媒を回路全体へ戻します。
ポンプダウンや真空引きの具体的な方法・条件は機種によって異なるため、必ず使用しているエアコンの据付説明書を最優先してください。
※本記事は筆者が家庭用ルームエアコンで行ったDIY作業をもとにした情報提供を目的としています。冷媒回路は高圧になるため、作業中の事故・機器の故障・冷媒漏れ等について当サイトは責任を負いません。安全に作業できない場合や手順に不明点がある場合は、エアコンメーカーまたは専門業者へ依頼してください。









