はじめに
壁に棚を作りたい、柱を立てたい。
そんなときによく使われるのが「ディアウォール」や「ラブリコ」です。
たしかに手軽で便利なのですが、実際に使ってみると
- 価格がやや高い
- 形が決まっていて加工できない
- 巾木や廻り縁があるとピッタリ収まらない
と感じることも少なくありません。
そこで選択肢としておすすめなのが、自作アジャスターです。
この記事では、
- 自作アジャスターの仕組み
- 必要な材料と工具
- 失敗しにくい作り方
- なぜその寸法なのかという理由
を、実際に使いこなせるレベルになるまで詳しく解説します。
自作アジャスターとは?
自作アジャスターとは、
ボルトとナットを使って「長さを微調整できる突っ張り機構」を木材で自作したものです。
ディアウォールやラブリコと同じく、
床と天井の間に柱を立てるために使いますが、
最大の違いは自由に加工できることにあります。
ディアウォール・ラブリコとの違い
- 市販品:はめるだけ・形は固定
- 自作:削れる・詰められる・サイズ調整が自由
家の条件に合わせて微調整できるため、
巾木や廻り縁がある家でも対応しやすいのが特徴です。
どんなDIYで使える?
- 突っ張り柱
- 可動棚
- 壁面収納
- 薄型本棚
一度作り方を覚えると、応用範囲はかなり広がります。
▶︎ 自作アジャスターを使って作った文庫本専用・薄型本棚の実例はこちら
自作アジャスターに必要な材料と工具【1個分】
必要な材料

- 柱用木材(床から天井の高さ −50mm)
- アジャスター部用の木材(厚さ25mm前後の端材)
- M8×70mm ボルト ×1
- M8 ナット ×2
- M8 平ワッシャー ×2
- 滑り止めシート
- 両面テープ
※ボルト径や長さには理由があります。後ほど詳しく解説します。
※ ナット・ワッシャー類は、通販だと数量が多すぎたり、送料の方が高くなることがあるため、近所のホームセンターでの購入がおすすめです。
必要な工具

- 電動ドリル、または電動インパクトドライバー
- 木工用ドリルビット(9mm)
- 座ぐりドリルビット(15mm)
- スパナ(13mm)
自作アジャスターの作り方【加工編】
① 柱用木材の加工

柱用木材の木口に、対角線を引いて中心を出します。
中心に向かって、
9mmの木工ドリルで深さ約50mmの穴を開けます。
ドリル刃にマスキングテープで目印を付けておくと、
深さ管理がしやすくなります。

② アジャスター部木材の加工

次に、アジャスター部となる端材を加工します。
まず、木口の中心を出し、
15mmの座ぐりドリルでボルト頭が隠れる程度まで掘ります。
その座ぐり穴の中心に、
9mmドリルで貫通穴を開けます。
これで、段付きの穴が完成します。
自作アジャスターの組み立て方【構造理解】
ボルト・ナットの組み順

組み立ては以下の順番です。
- ボルト
- ワッシャー
- ナット
- ナット
- ワッシャー
座ぐり加工した側からボルトを差し込み、
ナットを2個使って調整機構を作ります。
なぜこの構造で突っ張れるのか

ナットBを回すことで、
ボルトの位置が上下に移動します。
その結果、
柱全体の長さをミリ単位で調整できる仕組みになっています。
柱を立てる手順と注意点
設置前の準備
床や天井を傷つけないよう、
接地面にはフェルトや滑り止めシートを貼っておくと安心です。
柱の立て方
- 柱を設置場所に入れる
- スパナでナットを回して突っ張る
- 垂直を確認しながら微調整
寸法指定の理由【失敗しないための重要ポイント】
柱の長さを「−50mm」にする理由

- 短すぎる(−80mmなど)
- ボルトの露出が多く見た目が悪い
- 長すぎる(−20mmなど)
- 物理的に設置できない
このため、
床から天井の高さ −50mmが最もバランスが良くなります。
ボルトは「M8×70mm」がベストな理由

- 短いと強度不足
- 長いと深穴加工が難しい
加工性と強度のバランスを考えると、
M8×70mmが扱いやすいサイズです。
アジャスター部木材のサイズ目安
- 柱断面より縦横5mmほど小さく
- 小さすぎると不安定
- 大きすぎると見た目・干渉の原因
自作アジャスターのメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 圧倒的に安い 見た目がシンプル 2×4以外の木材にも対応 削って微調整できる | 加工の手間がかかる 工具が必要 |

【補足】巾木・廻り縁がある場合の考え方
壁に寄せない設計という選択
ツーバイフォー材の幅は約89mm、
文庫本の奥行きは約105mmです。
床側の巾木(約15mm)を活かすことで、
ツーバイフォー+巾木で奥行きがほぼ一致します。
無理に壁に寄せず、
あえて巾木分を含めて設計することで、
収まりの良い薄型収納になります。

天井側は微調整が必要だった

廻り縁は家の歪みの影響を受けやすく、
今回はアジャスターを一回り小さく加工して対応しました。
▶︎ 自作アジャスターの活用例|階段室に薄型本棚を作った実例
まとめ|自作アジャスターは「調整できる」のが最大の強み

ディアウォールやラブリコは便利ですが、
すべての家に最適とは限りません。
自作アジャスターなら、
家の条件に合わせて作り、調整できます。
一度作り方を覚えれば、
DIYの幅は確実に広がります。


