京セラ(旧リョービ)RSE-1250の改造方法を詳しく知りたいな。
京セラ(旧リョービ)RSE-1250を改造したいけど、失敗して壊したくない。
京セラ(旧リョービ)RSE-1250をカーポリッシャーとして使おうと思って購入していて、このように考えている方は多いのではないでしょうか。
これは筆者が購入後一度も使わず長年しまい込んでいたRYOBI(リョービ)の『RSE-1250』です。
今年の夏に令和2年式の中古のヴォクシー(ZRR80W)を買ったけど、どうしてもウロコが取れない!仕方がないので、ポリッシャー磨きにチャレンジします。
この製品はノーマルだと本来の能力が発揮できないとのことなので、これを機に改造しました。
改造することで海外製の高級ポリッシャーと比べても遜色ない仕上がりを可能にしてくれるのだとか。
この記事を読むことで、
- ブレーキリングを外す改造
- 電源コード5mに交換する改造
- ベアリングを交換する改造
- 低重心パッドに変更する改造
- 補助ハンドルを付ける改造
- カーボンブラシを交換する方法
がわかります。
それでは、京セラ(旧リョービ)RSE-1250の改造の方法を詳しく解説していきます。
RSE-1250の改造の目的
これから順にご紹介する5つの改造ですが、その目的は次の3つです。
- 高回転化(研磨力UP)
- 低重心化(力加減の調整力UP)
- 使い易さの向上(作業効率UP)
高回転化によって、RSE-1250のもつ性能を最大限まで引き出すことができ、研磨力を高めることができます。
また、研磨時間も短縮できるので作業効率は格段にアップします。
低重心化させると、バフの当たり具合や圧が感じやすくなり、力の加減の調整がやりやすくなります。
RSE-1250のブレーキリングを外す改造
上の写真は本体からパッドを取り外した状態の写真です。
黒い輪の部分が『ブレーキリング』と呼ばれるもので、ゴムのような素材でできています。
ブレーキリングは、ポリッシャー停止直後に惰性で回転することを抑える役目をします。
しかし、このブレーキリングは停止直後だけでなく、常にパッドに当たり続けているため、回転しているときもブレーキをかけてしまっています。ブレーキリングのせいで回転力が落ちてしまっているのです。
このブレーキリングを取り除いて、パッドがフリーで回転するようにし、本来の研磨力を引き出すのが目的です。
お金もかからない改造方法で、手順はとても簡単です。
上記の赤丸の4カ所のネジをプラスドライバーで外します。
パッドを外します。
黒いゴムのブレーキリングを手で引っ張ると簡単に外れます。
ブレーキリングを外した状態でパッドを元どおりに組み付ければ、ブレーキリングを取り外す改造は完了です。
RSE-1250の電源コードを5mのコードに交換する改造
この改造をしても研磨性能は変わりませんが、電源コードが長くなることによって作業中のストレスが大幅に減り、作業が快適になります。
電源コードを長くすることによって、具体的には次のようなメリットがあります。
- ルーフなど高いところを磨くときに電源コードと延長コードの接続部分がブランブランして車のボディにぶつかるのを解消
- 脚立使用時に電源コードと延長コードの接続部分が脚立に引っ掛かかる・コンセントが抜けるのを解消
はんだ付けの手間がかかりますが、おすすめの改造法なのでぜひやってみてください。
ただし、この改造には分解が必要です。分解後の故障は、修理が受けられない可能性がありますので、メーカーにご確認ください。また、分解に伴う故障、破損の可能性がありますので、全て自己責任のもと作業してください。
手順は、前述のブレーキリングを外す改造でブレーキリングを外すところまでは同じです。
RSE-1250のベアリングとフィンを外す
センターの黒いネジをプラスドライバーで外します。そのままネジを外そうとすると、フィンと一緒に回転してしまうため、フィンを片手で抑えながらネジを外します。
ネジを外した状態。
ベアリングをベアリングホルダーごと引っ張って外します。
フィンを引っ張って外します。
RSE-1250の本体カバーを開けて外す
赤丸部分の10カ所のネジをプラスドライバーで全て外します。
この向き(ネジ穴が上)のまま上側になっている本体カバーを上に引っ張って、中の部品が全て下の本体カバーにくっついた状態で残るように、上側のカバーだけを取り外します。
慎重に引っ張っても、上側のカバーに中の部品がくっついた状態で外れてしまい、元の部品の配置がわからなくなってしまうことがあります。(筆者はそうなってしまいました。)
詳細は後述しますが、筆者は初めてカバーを外したときに、部品の配置が変わってしまったことに気付かず、収まりが悪いのに無理やりカバーを閉じてカーボンブラシを壊してしまいました。
RSE-1250の電源コードの黒線をカット&接続する
5mコードへの交換方法の続きを説明します。
カバーを取り外した状態です。
カバーを取り外した直後の電源コードの配線部分のアップです。
配線をほぐしてみたところです。
この配線をちょうどいい長さにカットします。筆者は×印のところでカットしました。
使うコードは、メーカー純正の5mコードです。
京セラインダストリアルツールズ 交換用電源コード VCTF 0.75×2×5 652 0841
これを使って配線を交換していきます。
黒線をスイッチの接点のギリギリの位置でカットします。
元のはんだを除去し、5mコードの黒線をスイッチの接点にはんだ付けします。
元のはんだがなかなか溶けなくてかなり苦労しました。
より線を接点に巻き付けてからはんだ付けしたためか、はんだが山盛りになりすぎているように見えます。
画像では黒線に熱収縮チューブを付けていますが、これは必要なかったですね。
RSE-1250の電源コードの白線をカット&接続する
白の配線をカットしたところです。
銅線用裸圧着スリーブを使用して「5mコード側の白線」と「カットした側の白線」を圧着します。
銅線が太すぎてスリーブに入りきらない場合は、両方のより線の何本かを切って細くしてから入れます。
スリーブを圧着する前に、熱収縮チューブを入れるのを忘れないように気を付けてください。
圧着するときは圧着工具を使用します。
圧着後しっかりと圧着できたかどうか、強く引っ張っても抜けないことを確認します。
配線を圧着したら、熱収縮チューブの位置を合わせます。
ヒートガンを出すのが面倒だったので、はんだごての熱を利用して収縮させました。
これは簡単にできました。さきほどの黒線もはんだ付けではなく、この方法でやればよかったと思いました。
はんだごてを持っていない方やはんだ付けが苦手な方は、こちらの方法をオススメします。
RSE-1250の本体内に部品や配線を収めてカバーを閉じる
ケース内にスイッチや配線を収めていきます。
ケースに収めようと何度もいじっているうちに、スイッチの白線側の接点に一緒にはんだ付けされている黒線の根元がちぎれてしまい、はんだ付けをするはめになってしまいました。
皆さんも配線をちぎらないよう、お気を付けください。
あとはカバーを元に戻すだけですが、筆者は戻すときに壊してしまいました。
構造がよくわからなかったため、一応インターネットで調べたところ、チェックポイントは次の2点らしいことがわかりました。
- モーター接点とカーボンブラシのところ(赤丸の部分)を確認する。
- ベアリング(赤丸の部分)が本体にきちんとはまっているか確認する。
RSE-1250の本体カバーを閉じるときの悪い例
これは悪い例です。
画像ではわかりにくいですが、カーボンブラシが飛び出したまま、モーター軸を上から置いている状態です。
カーボンブラシがどんな状態が正常なのか、この時点ではわかっておらず、これでOKと判断してしまいました。
ベアリングが本体の溝にはまっていることを確認します。
画像のように左右の黒い四角い箱から黒い四角いものが飛び出している(赤丸部分)ことに気付いてはいましたが、そのままモーターを上から置いて、無理やり本体カバーをはめ込みました。
収まりが悪く、なかなか閉まらないので、カバーを力いっぱい閉じたところ、バキッと音がして黒い小さい破片が中から出てきました。
RSE-1250のカーボンブラシを交換する方法
あわててカバーを開けてみると、右側の黒い四角いものが根元から折れてしまったことがわかりました。
これはカーボンブラシというもので、これがないとモーターが回らないようです。
Amazonですぐに注文しました。
2個セットで400円もしませんでした。安いものでほっとしました。
2日後に届いた新品のカーボンブラシがこちら。
Amazonで購入したものと比較すると、折れていない方のもRZの上の線の両端が少しえぐれており、ダメージを受けていることがわかります。
なので、折れたのは片側だけでしたが、念のため2個とも新品に交換します。
まず、モーターの軸を引き抜いて作業スペースを確保し、カーボンブラシホルダーを本体カバーから取り外します。
赤丸で囲んでいる金属の部分がストッパーになっています。下に押し込んでから、カーボンブラシを引っ張ると抜けます。
丸型の接点は斜めにしないと入りません。
カーボンブラシホルダーに丸型接点を入れてから、新品のカーボンブラシを押し込んで、赤丸のところのストッパーが効くように調整します。
もう一方のカーボンブラシも同様の手順でホルダーに装着し、モーターの軸を本体に元どおりに戻します。
カーボンブラシを引っ込めながらモーターの軸に当たるように本体カバーに取り付けます。
カーボンブラシを引っ込めた状態できちんと所定の位置にはめ込むと、こんな感じになります。
完成です。
カーボンブラシを交換するときに参考にした動画がこちら。動画で見たいという方は参考にどうぞ。
RSE-1250の本体カバーを閉じる
カーボンブラシの交換後は、カバーを閉じたときに配線が噛まないように、配線を赤丸印の溝に入れます。
あとは、本体カバーをかぶせ、ネジ10カ所をプラスドライバーで締めて作業完了です。
はたして動くのかと心配でしたが、電源を入れてみたところ、無事に動きました。
面倒な改造でしたが、何とか完了です。
配線作業が苦手な方は、電源コードが5mで性能がRSE-1250と同じAPED−130を買うという方法も、ボディカラーがブラックでカッコいいですし、アリだと思います。
RSE-1250のベアリングを交換する改造
本体カバーを元どおりに組み立てた後は、ついでにベアリングの交換も一緒にやるのがおすすめです。
用意したベアリングは、NSK 6002ZZ
Amazonで280円(税込)でした。激安。
取り外した方のベアリングはこちら。「6002RK JAPAN 230 KOYO」と刻印されています。
ベアリングホルダーからベアリングを取り外す
まず、ベアリングホルダーに付いているベアリングを取り外していきます。
ベアリングホルダーからベアリングを取り外すときは、ベアリングプーラーという工具を使用します。
購入したのは、Amazonで3198円(税込)のモノです。
1回しか使わないので、そんな工具は買いたくないという方は、メーカー純正のベアリングホルダーを購入することをオススメします。
京セラ純正ベアリングホルダー(ベアリングは付属しておりません) モノタロウ商品詳細 56408266
私が見たときは779円(税別)でした。
ホルダーにベアリングを取り付けた状態のモノもあります。
それでは、ベアリングを引き抜く作業の続きです。
使用する工具は、
- ベアリングプーラーセット
- 六角レンチ(2種類)
- モンキーレンチ2個
ベアリングプーラーセットのうち、使用するのは白枠で囲んでいる部品。
ベアリングホルダーのベアリングを取り外す際に参考にした動画はこちら。
ベアリングプーラーを取り外すベアリングに対してセットします。
六角レンチで軸を固定して、モンキーレンチでゆっくりボルトを回してベアリングを引き抜いていきます。
簡単に抜けました。
さて、さきほどの動画では、圧入は21mmインパクト用ソケットを噛ませて金鎚でたたき込んでいました。古ベアリングを噛ませて叩くということもよくあるようです。
しかし、精密素材の部類に入るベアリングを金鎚で叩いたりして壊れないのだろうかという不安があります。
圧入治具を自作する
そこで、簡単な治具を作って丁寧に圧入することにしました。
圧入治具を作成する際に参考にした動画はこちら。
治具といっても、ただのボルトとワッシャーとナットです。
今回用意した材料は、次の4個です。
- M10六角ボルト4.5cm(税込44円)x1個(今回は3cmもあれば十分ですが、ちょっと長めのを購入)
- M10ワッシャー(外径32mm)(税込22円)x2個
- M10六角ナット(税込8円)x1個
ホームセンターのばら売りコーナーで全部で百円程度で揃います。激安。(ステンレス製だともう少し高いです。)
最も重要なのはワッシャーx2枚のサイズ(外径32mm)で、これが小さい(例えば26mm)とベアリングの外周ではなく内周に圧力が掛かって中のボールを痛めてしまいます。そのため、ベアリング外径と同径のワッシャーを使う必要があります。
ボルトの太さは、内径より小さいサイズでないとベアリングの穴に入りません。M10ボルトの直径は10mmです。
今回の改造で使用するベアリング(6002ZZ)のサイズは、外径32mm、内径15mm、厚さ9mmです。
ホルダーに自作の治具でベアリングを圧入する
まずは、六角ボルトの六角部分を下にして立てます。
次に、六角ボルトのネジ部分に、下から、ワッシャー→ベアリングホルダー→ベアリング→ワッシャー→ナットの順に入れて、ナットを手で締められるところまで締めます。
ある程度まで締めたら、ワッシャーがベアリングに完全に重なるように位置を合わせます。
モンキーレンチ2個を使って、ボルトとナットをゆっくり締めていきます。
もう回らないというところまで圧入すれば完了です。
とても簡単にできました。ベアリングを叩かないので、壊れる心配もありません。
フィンとベアリングを本体に取り付ける
ベアリングホルダーにベアリングの圧入が完了したら、フィンを本体にもどします。
ベアリングをこの向きで取り付けて、元どおりにワッシャーをネジ止めして、改造は完了です。
RSE-1250のパッドを低重心パッドに交換する改造
RSE-1250はこの改造をすることで、ポリッシャー自体の暴れが減り、安定するようになります。
用意したのは、クリスタルプロセス 専用ヘッド123Φ
公式ページによると、特徴は『ダブルアクションの振動キズを抑え、磨くことを追求した低重心設計ヘッド。』とのことです。
PROVIDEでセット販売品に付いているものに見た目が似ていますが、同じものかどうかはわかりませんでした。
モノタロウでは4990円(税別)でした。専用ヘッドφ123 モノタロウ商品詳細 17798542
本体価格が約9千円ということを考えると結構高いですが、効果はあります。
興味のある方はやってみてください。
方法は、純正のパッドと付け替えるだけなので、とても簡単です。
交換するときに参考にした動画はこちら。
筆者のネジに付いているワッシャーは1個だけでしたが、この動画では、『純正のネジに付いているワッシャーは2個ですが、大きい方のワッシャーは使いません』と言っていますので、ワッシャーが2個のロットもあるのかもしれません。
パッド 裏面の比較
純正パッドと低重心パッドの表と裏はこんな感じです。
色と厚みがかなり違いますね。触った感じは、純正パッドは柔らかいですが、低重心パッドは硬いです。
重さは、純正パッドが88g、低重心パッドは75gです。
低重心パッドをベアリングホルダーのネジ穴に合わせて取り付け、4カ所のネジをプラスドライバーで締めると完成です。
左が純正、右が改造後です。パッドがオレンジ色から黒になり、本体とパッドの隙間が開きました。
見た目も少し精悍になってカッコよくなりましたね。
RSE-1250に補助ハンドルを付ける改造
改造というと大げさですが、RSE-1250に補助ハンドルを付ける改造です。
RSE-1250はノーマル状態だとハンドルがついていないため、研磨するときは本体を直接手で持つ必要があります。
また、そのまま下に置くとバフにゴミがついてしまいます。
これを装着することで、
- 床や地面に逆さに置いても倒れないので、バフが汚れない。
- 圧力をかけやすい。特に横から研磨するときに圧をかけやすくなる。
といったメリットがあり、とてもオススメです。
用意するものは純正の補助ハンドル
モノタロウでは1690円(税別)でした。
補助ハンドル モノタロウ商品詳細 31338222
内容物はこんな感じです。
ハンドル、ワッシャー(画像では見えにくいですが、ハンドルのネジ部分にはまっています。)、リング、ナットの4点です。
取付方法は、とても簡単です。
コツは、リング内側の凸を、本体の凹にはまるように取り付けることです。
ハンドルの位置、向きはお好みで自由に調節してください。
あとはハンドル先端のネジをナットに挿し、ハンドルを手で回して締めるだけで完了です。工具は使いません。
ハンドルは不要だけど、下に置くときにバフを汚したくないという方は、リングだけを使う方法もあります。その場合は、リングを固定するための長さ20mm程度のM10六角ボルトを別に用意する必要があります。
元箱に入れたい方は、ハンドルの角度を取っ手と平行にすれば入りますよ。
RSE-1250の改造に関するまとめ
今回はRSE-1250の改造方法を5つご紹介しました。
電源コードを交換する改造中にカーボンブラシを壊してしまったため、カーボンブラシを交換する方法もご紹介しました。
改造の内容 | 難易度 | コメント |
---|---|---|
ブレーキリングを外す改造 | ☆ | かかる費用は0円。RSE-1250をポリッシャーとして使うなら必須! |
電源コード5mに交換する改造 | ☆☆☆ | 間違いなく作業性は上がります。壊さないように注意が必要。 |
ベアリングを交換する改造 | ☆☆ | 使用感は変わりますが、面倒なら交換しなくても良いかも。 |
低重心パッドに変更する改造 | ☆ | 研磨力は上がりますが、かけるコストにみあう効果かどうかは微妙。 |
補助ハンドルを付ける改造 | ☆ | 床などに置きやすくなるうえ、圧力のかけやすさも上がります。 |
RSE-1250をノーマルで使っている方は、まずはブレーキリングを外す改造をしてみて、効果を実感してみてください。
それでは!